内容は、紅茶のいれ方に始まり、バリエーションティー、茶園、産地、お菓子や食べ物、ブランド、ティーカップ、そしてコラムと、初心者が気になる情報が網羅されています。
ちょっと図版が読みにくいのが難点でした。番号付きで写真とともに紅茶のいれ方の手順が載っているのですが、ページ全体がごちゃごちゃしていて、番号の並び方も不規則……順を追いにくいのです。文字色や背景も多色で、せっかくの写真を邪魔しているような……。もうちょっとスッキリしたレイアウトだったら、もっとよかったのになあ、と思います。
この本を読んでうれしかったこと
●紅茶を感覚で楽しんでよいとわかった
Introduction(10p~)「茶葉との対話」「うまい紅茶は茶葉に聞け」というような言葉が出てきます。マンガ家の言う「キャラクターが勝手に動き出す」のようなこの表現にはピンと来ない人もいるかもしれませんが、私は「あ、それでいいんだ」と、緊張がほぐれるような気持ちになりました。
西洋の料理は、どちらかといえば「理系」の印象があります。きちんと材料の量を計り、時間を守らなければ、レシピを再現したとはいえませんし、お菓子などは、実際うまく出来ません。 紅茶にもそんなイメージがあって、茶葉を計ったり、蒸らし時間を計ったり。データが蓄積されていく面白さも好きですが、そればかりに気を取られるのは窮屈だなあ、とも思っていました。
「茶葉との会話」という言葉を読んで、髙野さんは私が思っていたよりも感覚で紅茶を愛でる人なのかもしれない、と感じました。
●お店のメニューのレシピ
私がいつも頼む「ヘルシーサンドウィッチ」(P122)を始め、「フルーツババロア」(P121)など、 ティーハウスタカノでお馴染みのメニューのレシピが載っています。この本は18年ほど前の出版なので、ずっと同じメニューがお店でも出されていたことを知り、なんだかうれしくなりました。
またタカノに行きたくなる本でした。(たぶん行きます)